赤とんぼ(夫の日記)

土曜日、体がなんだかだるくて、夕方まで寝室でごろごろしていた。妻が「つまんないよ〜」というのを聞き流して娘といっしょに眠って過ごした。夜はマクドナルドを買ってきて済ませる。なんだか食欲がないので、僕はバーガーを買わず、ポテトとナゲットをコーラで流し込んだ。いいかげんなにか有意義なことでもするか、と思い、洗濯機を回し、コインランドリーと往復。乾燥が終わるまでの間、外をぶらぶら歩きながら時間を潰したが、気分が悪くなる。家に戻って休んでもいいのだけれど、ベッドに横たわったら最後、コインランドリーにはもう戻れない気がした。それに、家では妻が娘を寝かしつけていたので、繊細な時間に余計な物音を立てるのも悪い。結果、近所の公園の小さなすべり台に仰向けになる。いくらかラクになった。結婚指輪しているのに、公園で横になっているのがなんだかおかしかった。帰宅してすぐベッドに入る。昼間ごろごろしすぎたせいか、それともお酒を飲まなかったからか、うまく寝つけなかった。

翌朝日曜日、僕は相変わらずで、おまけに妻も体調を崩していた。娘だけが元気。まぶしい。

妻は、最近かかわっている銭湯のイベントに参加するべく、体にムチ打って出かけていった。「パパママ銭湯」という催しなので、娘も連れていった。僕は久しぶりに家にひとり。でも体調が悪いので寝るだけだった。

帰宅した妻は疲れていて(それなのにポカリを買ってきてくれた)、家族みんなで昼寝した。目覚めた妻はとても元気で、「お湯に入って眠ったら治った！」と、すごく単純な生活の真理を体現していた。

僕も昨日よりだいぶ調子が戻ったので、妻の希望で夕飯は外食することにした。近所のよく行く居酒屋でおでんやサンマの塩焼きなど温かいものをいろいろ食べる。最近は娘もいろいろなものを食べられるようになったので、おでんの大根や卵焼き、冷やしトマトをあげる。

娘は1歳過ぎたあたりから圧倒的成長を繰り広げており、見ててとにかく面白い。夫婦の会話も、娘の一挙手一投足にかんする感想戦に終始しがち。楽しいけれどすこしさびしい気もする。

夕食を終えて帰宅した僕は、妻にならって銭湯に行った。ラグビーの放送時間だから空いてるかと思いきや、そうでもなかった。体を温めるとたしかに気分が良くなった。「熱湯→水風呂→水シャワー→ミルク風呂」のルーティンがこの銭湯の勝ちパターンだとようやく悟れたいい夜だった。帰り道でインスタを見ると、妻が「ささやかに今日の打ち上げ」と言って、居酒屋で飲んだ日本酒「赤とんぼ」の写真をアップしていた。「今日の打ち上げ」したかったんなら、そう言ってくれたらよかったのにと苦笑した。

帰宅するとすでに妻と娘は眠っていて、僕も体を横たえる。今夜はうまく眠れるといい。