鉄風 鋭くなって(夫の日記)
象徴天皇制というものには一定の愛着を持っているので、即位礼正殿の儀の中継を楽しく見た。「俺は天皇っていう文化が嫌いじゃない」と話すと、妻は少し面食らったようになっていた。
愛着があるとはいえ、そこに神聖さのようなものを見出しているわけではないので、儀が始まると雨が止み虹がかかった!みたいなのにはあまり共感しない。
しかし、先月家族で行った京都音博でのナンバーガールのライブ。彼らの出番直前に強雨となり、「鉄風 鋭くなって」の頃には豪雨といっても差し支えないほど降られた。顔を雨に濡らしながら感極まって妻と頷きあって泣いてしまった。そんなエモーショナルな空間にあっても、雨除けビニールに覆われたベビーカーの中でこんこんと昼寝をキメる娘の逞しさに微笑んだりした。
そして雨が止んだ。この日、ナンバーガールの演奏のときだけ雨が降ったのだった。天気まで味方につけてエモいぜ…と僕らはたしかに思ったのだった。
9月22日、「天気を味方につけて」なんて思った僕は、10月22日、「天気まで祝福している」と言った人たちをバカにはできないのだった。
僕らはたとえば娘のハレの日なんかには天候に一喜一憂して、空模様に感情を投影し、天候を擬人化して、なにか感想したりするんだと思う。僕らはみんな天気の子。
今日はカレーを作った。久しぶりに料理すると全く手際が悪くなっていて慌てたが、事前に妻の教えてくれたように作ったらとてつもなく旨い豚バラ肉の欧風カレーができた。美味しかったなあ。
娘は最近寝つきが悪い。少しだけだが夜泣きもかますようになった。微熱も続いていて、少し心配だ。