ハンドメイドホーム

40代妻、30代夫、4歳娘の日々の日記

I&YOU&I&YOU&I(夫の日記)

中目黒に朝8時半集合の仕事があり、保育園の送りを妻にお願いした。久しぶりの中目黒、目黒川沿いを池尻大橋のほうへと歩くと、ニートだったころ、夜明けに歩いたときのことを思い出す。雨あがり、朝ぼらけの目黒川はドブ川の臭いがしたものだったが、秋晴れの目黒川は爽やか極まりなかった。

 

緊張する取材だったが、実りあるものだったと思う。まあ、ほんとうに実るかどうかはこれから原稿を作るなかで決まるのだけれど……。

 

取材を終え、スマホを見ると妻から「肺炎だった」とLINE通知が来ていた。ずっと体調の悪そうだった妻に、病院に行くよう言っていたのだった。先日僕が行った病院が良かったので勧めたら行ってくれた。妻や痛みや不調を我慢してしまうタイプなので、僕が言ってやらなきゃと思う。逆に僕は心気症のけがあって自分の体調の悪さに敏感で、すぐに最悪の状況まで想像してしまうタチだ。バランスが取れてるのかなんなのか、極端な人間がつがいになったという格好だ。とにかく、肺炎は薬で治るらしく、少し安心した。

 

夕方、僕も妻が行った病院へ。こないだの血液検査の結果が出たのだ。結果は異常なしだった。帯状疱疹の検査だったのだけれど、他の臓器やなんやらの数値も診てもらえた。ずっと、自分は糖尿病なんじゃないか、と懸念してたけど、今のところ大丈夫だった。安心する。

ここの病院は清潔感もあって診察もスムーズだし医師も受付も親切なので夫婦そろってかかりつけにしようと思う。僕と妻は同じ美容師さんに髪を切ってもらってる。同じようなものを食べ、同じベッドで眠り、同じ人に髪を切ってもらい、同じ人に診察してもらう。そんなことしてたらそりゃあ夫婦も似てくるわな、と思う。両極端な夫婦だけれど、どっちかの極端にふれずに中庸に寄っていって似ればいいんだけれど、今のところ、僕の引力の方が強い気がしている。

晴れ・妻の日記

金曜だというのに体調が悪い。ひどく悪い。

朝、早くから取材に出かけた夫の代わりに娘を保育園に送り、その足で内科へ行って診察を受けると「これ、肺炎になっちゃってますね」と言われて、たいそう驚く。たしかに撮られたレントゲンの肺あたりに、白いぼんやりとしたものが写っていた。熱もないし、ただの風邪だと思っていたが、そういうケースもあるらしい。

あとあと高熱が出るかもしれないので、としっかりめに薬を処方してもらい、薬局で受け取る。内科も薬局も驚くくらい親切丁寧で、なんだ、ここに早く来れば良かった、と後悔と反省。

そのまま家へとまっすぐ帰りたいところだったが、役所関係の書類を取りにひたすら歩く。バスでは近すぎて、徒歩ではやや遠い、という距離感。最初に行った出張所が「管轄が違う」ということでさらに歩かされたおかげで1時間以上、とぼとぼと歩く羽目になった。

「肺炎なのに……」と悲しくなったが書類処理を遅らせた自分が悪いので自業自得。なんとか帰宅して少し横になり、予定のためまたすぐ出かけて用事を済ませ、ほうほうの体でふたたび帰宅。長い日だった。「なんて日だ!」って、こういうときに使うんでしょうね。

男の子と女の子(夫の日記)

娘を予防接種に連れていく。左腕と右腕に1本ずつ打たれる、もちろんめちゃくちゃ泣く。なんなら0歳児のころより泣く。当時より痛覚が鋭敏になったというか、痛いという感覚を訴える力の強まっているのだろう。成長を感じる。今月はあと2回予防接種をする。親がだらしないので、出遅れてしまった結果、ひと月で3回の接種とあいなった。すまないねえ。

 

保育園では同じ月齢の男の子が鉄棒にぶら下がるのをまねようとしていたらしい。1歳半の男児が自重を両腕で支えられるということに驚く。娘はまだ足は地面についたままらしい(というか、1歳児がぶら下がれる鉄棒が想像つかないのだけれど、児童公園にはそういうのあるのだろうか。今度「かえる公園」とやらに行って確かめてみたい)。男の子と女の子とでは既に力の差があるらしく、ジェンダーはともかくとして、性別の違いは既にあらわれている。男子よりも女子のほうが弱い、という歴然とした事実を、娘を通してはじめて実感したような気がする。ほんとうの意味では、僕はまだなにも分っていないのだ。

晴れのち曇り・妻の日記

昨夜から怪しかった体調が滑り台を落ちていくように悪くなり、1日寝込む。予定を2つもキャンセルしてしまい、大変申し訳ない気持ち。咳と鼻水、全身の倦怠感から風邪だろうと当たりをつけていて、1週間近く葛根湯を飲んではいるものの、改善の気配がない。昼間はひたすら布団に潜って眠り、体調の回復を願うのみであった。

なぜこんなにずるずると病院に行かないのかというと、忙しかったり気持ちの余裕がなかったせいもあるけれど、今夏、風邪をこじらせ(またかよ)たときかかった内科が合わなかったのだ。レントゲンを撮って診断や処方をしてくれたのはいいけれど、今の自分の状況をよっぽど質問しないと教えてくれないという謎医者だったため、お尻が重くなっていたのだった。言い訳ですけれども……。

しかし夫からも体調が心配だとの指摘を受けたのと、いよいよ咳がひどく、夜の睡眠が確保できなくなってきたので、夫が行ってみて良かったという内科を予約した。明日の朝一番で行く予定。

コミュニケイション・バリア(夫の日記)

金曜日の取材準備をする。いろいろなインタビューを読み、インタビュイーの語ってきたこと、それによって形作られたイメージを知る。著名人をインタビューするときには、未だ語られていない(うえに面白い)ことをひとつでも聞けたらいいかな、と思う。

 

娘は未だ語らないことばかりで形成されていて面白い。それでも明らかな個性がある。これから大きくなって、言葉を獲得して、いろいろなことを話し、いろいろなことを話さない。そうやって、彼女の輪郭はより鮮明になっていく、あるいは捉えどころのない靄になっていく。実際はそのどちらでもあろう。僕は娘にインタビューしつづけたい。しつづけられるような、余裕のある人間になりたい。そのためにライターの仕事をがんばろうか(夫はフリーライターをやっております)。

 

えらそうなこと言ってみたけれど僕はまだぺーぺーで、一度だって満足いく仕事をしたことはない。人の話を聞くのはほんとうに難しいことなんだ。

 

今日は妻に嬉しい仕事が決まった。この町に越してきてたった一年、自分の力で既存のコミュニティに飛込み、コミュニティに新たな価値をもたらす彼女の勇気とエネルギーと実力にひれ伏す。この家庭において、彼女のポテンシャルを最大限発揮させてあげることができてないのが現状で、僕はもっと彼女にとって居心地のいい家をつくってやらなきゃいけない。やるべきことがあまりにもある。

晴れ・妻の日記

今日もいい天気。日記のタイトル、あまり良く考えないでフォーマットを決めたのだけれど、面白みがないかな?夫の日記のタイトルは、毎日なにかの曲名を付けているそうなので、大変そうではあるけれども読む方は楽しいからがんばって続けてほしい。

今日はよい打ち合わせが持てた日でもあった。お話していて相手が涙ぐむほど共感してくれた場面があり、わたしも胸にグッとくるものがあった。話題は娘への思いについて。わたしは高齢出産なので、娘と過ごせる時間が普通のお母さんよりきっと少ない、という話から始まった。

長生きするつもりではあるけれど、それでも単純に10年くらいは早く死ぬと思うので、それまでに娘の周りに頼れる人、頼らないけど面白がれる人、話を聞いてくれる人、エトセトラ、をたくさん置いてあげたいと思っている。同時に、わたしも多くの子供達にとってそんな人になれたらいいな、と思う。かっこいいか、好むかは別として、こんな生き方もあるんだぜ……みたいな。

それは別に立派な背中である必要はなくて、間違えながらも自分で考えて選び、転んでもちょっとだけ泣いてすぐ立ち上がれる一例のような、そんなものでいいと思うのだ。

「世の中にはいろんな人がいて、そういう人もいる」という存在が誰かを救う、というのは、わたし自身がしてもらってきたことでもあると思うので、それをリレーみたいにしてつないでいけたらいいなと思う。最近、子育て関連のイベントや企画に携わっているのはそういう利己的な理由もあるのだけれど、そういう理由があるほうが頑張れるのでは、と思ったりした日だった。

 

夜、夫に娘を任せて打ち合わせに出かけて帰宅。22時過ぎになってしまったので、ふたりの寝顔におやすみ、と言って、そそくさと就寝。

ピカピカブ〜!(夫の日記)

今日は病院に行き、家族に関する滞っていた雑務を猛烈に片付けた。支払い、買物、手続など、チュートリアル徳井さんよろしく後回しにしがちな僕はなんとかがんばった。

がんばった理由は、自分がいつ体調を崩すか分らないという不安が現実のものになったから。午前中行った病院で不具合を訴えると「帯状疱疹かもしれないですね」と言われた。まだ具体的な症状は出ていないのだけれど、僕の訴える不具合は初期症状に似ているらしい。時限爆弾を抱えているような気持になった。やがて体調を崩し外出できなくなるかもと思うと、元気なうちにいろいろ片付けておこう、という気になるのだった。普段からその心持ちで活動できればいいのに、と一瞬思うけれど、そんな緊迫感に四六時中見舞われていたら、そのストレスで体調崩してしまう。

 

買物に行った西友で、ワンワンのぬいぐるみが目に入ってしまった。娘(と妻)は「いないいないばあっ!」のメインキャラクター・ワンワンをいたく好いてるので、買ってやろうと思った。価格を見ると、ハードカバーの本を1.5冊くらい買える値段だったので少しためらった。クリスマスプレゼントでもいいかも、と思いなおし、エスカレーターを下る。下りながら、アマゾンだったらもっと安いかな?と思いチェック。値段はさほど変わらなかった。口コミを見ると「孫がとても気に入ってくれたので5点です」「最近は遊ばなくなったけど、昔はずっと抱っこしてました」「すごく喜んでたのでちょっと高いけどいい買物でした」など、喜ぶ子供の様子が目に浮かぶレビューが並んでいて、僕はエスカレーターを再び上がってしまった。プレゼント包装をしてもらっている間、にやけが止まらなかった。

 

娘はそこそこ喜んでくれて、ワンワンを抱っこしながら部屋をうろうろしていて可愛かった。買ってよかった。もっと遊んでほしくて、娘の寝かしつけにワンワンを同行させたら興奮してしまい、23時くらいまで寝なかった。僕のほうが先に寝落ちしてしまう体たらくでした。